脊椎

神戸大学医学部整形外科 Kobe University Orthopaedic Surgery

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脊椎

  准教授
西田 康太郎
(平成4年卒)
●日本整形外科学会専門医
●日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
●日本脊椎脊髄病学会認定
  脊椎脊髄外科指導
    助教
角谷 賢一朗
(平成12年卒)
●日本整形外科学会専門医
●日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
●日本脊椎脊髄病学会認定
  脊椎脊髄外科指導医

  助教
由留部 崇
(平成15年卒)
●日本整形外科学会専門医
●日本整形外科学会認定リウマチ医
●日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
       

 
  ▲脊椎グループスタッフと大学院生
私ども神戸大学整形外科脊椎グループは、故 片岡 治先生を初代チーフとして設立されました。2010年からは土井田 稔 先生(現 岩手医科大学整形外科教授)に替わって西田がチーフを拝命し、 前野、角谷、由留部の計4人のスタッフと後期研修医1~2人、さらに学外スタッフとして神戸ほくと病院脊椎センター長の高田 徹とも連携しつつ診療・研究を担当しております。また、脊椎疾患を主に担当している神戸大学関連病院が中心となって設立された、NPO法人兵庫脊椎脊髄医療振興機構(理事長:神戸労災病院院長 鷲見正敏先生)の運営にも携わっており、若い医師の教育や脊椎脊髄疾患に関する多施設研究、市民への啓発等も行っております。対象となる疾患は頚椎から仙椎へ至るすべての脊椎疾患です。大学病院の特徴として各科に高度な知識あるいは技術を持つ専門医がおりますので、難易度の高い腫瘍性疾患などに対しては耳鼻咽喉頭頚部外科や心臓血管外科などに御協力いただきつつ手術を行うことができ、重篤な全身合併症の患者様に対しては内科や麻酔科に御協力いただき周術期に集中管理を行うことが可能なことも我々の大きな強みであると思われます。したがって、診断・治療に難渋するような脊椎腫瘍性病変(髄内腫瘍を除く)や、重篤な合併症を有する症候性側彎症、また最近急増している高齢者の重症骨粗鬆症に起因した多発椎体骨折や成人脊柱変形などを積極的に加療しています。このような難渋症例に対し、個々の病態を把握するために診察に始まり綿密な検査・手術計画を立て、その病態に基づいた考え得る最良の治療を提供するべく奮闘しております。また、2013年からは脊椎転移で苦しんでおられるがん患者様に対して診療科の垣根を越えて集学的な治療が行えるよう専門チームを組んで対応しており、国内でも先進的な試みとして注目されています。また、以前は手術枠の関係で随分お待たせしてしまうことがありましたが、迅速に治療を行うために関連病院との連携を強化しており、これまでよりはるかに多くの手術が効率よく施行できるシステムを構築しつつあります。私どもの脊椎専門外来は火曜日と木曜日ですが、月曜日の初診も上記スタッフのいずれかが対応しております。最新かつ最高の医療を提供し、安心して治療をお任せいただけるよう、皆一丸となって日々の診療にあたっております。

【主な対象疾患】

整形外科の中でも脊椎関連疾患で苦しむ方が非常に多くなっています。いわゆる腰痛症にはじまり腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症や神経根症、頚椎後縦靭帯骨化症や胸椎黄色靭帯骨化症などの多くの脊椎疾患があり、これらに対して安定した治療を施行しています。中でも特に下記の困難な疾患に対して積極的に治療を行っております。

【 1.脊椎腫瘍】

脊椎腫瘍はその特異性からも大学病院が中心となって加療すべき疾患と考えており、当科での手術では最も頻度が高い疾患です。

(1) 原発性脊椎腫瘍
原発性脊椎腫瘍の手術症例で最も多いのは神経鞘腫、次いで多いのが髄膜腫と呼ばれる腫瘍です。神経鞘腫に関しては頚椎から仙椎に至るまで、過去 10 年で 100 例以上の手術実績があります。原発性脊椎腫瘍に関しては良性腫瘍、悪性腫瘍ともに全摘出を目指した手術的加療が主な治療になります。その意味においては初回手術が最も重要で、ときには他科と連携しつつ、いかに安全 かつ完全に切除できるかが勝負と言えます。再発腫瘍はいかなる場合においても合併症の可能性 が高くなり、技術的にも大変難しくなります。当院は、金沢大学で始まった脊椎骨全摘出術(TES) の認定施設となっており、悪性腫瘍の場合には TES も施行しております。脊髄外腫瘍であれば頚 椎、腰椎レベルを問わず、全脊椎レベルで対応いたします。髄内腫瘍に関しては歴史的に当科で は施行しておらず、脳神経外科にお願いしております。

▲環椎に発生した再発腫瘍 ▲腫瘍と片側環椎の一塊切除、脊柱再建


(2) 転移性脊椎腫瘍
日本人の 2 人に 1 人が癌と診断され、3.5 人に 1 人が癌で死亡する時代となりました。当然 のことながら、脊椎転移を来す患者も増加しています。脊椎転移に伴う激しい体動時痛や 麻痺を生じると、極めて悲惨な状態となってしまいます。近年の骨修飾薬や新しい抗がん 剤の開発、放射線治療技術の発展には目覚しいものがあり、脊椎転移に対する治療の選択 肢も急速に拡大しています。神戸大学では、骨転移に伴う悲惨な寝たきり状態を「0」に することを目標に、全国に先駆けて骨転移専門の tumor board(チーム医療)を組織し、よ り低侵襲かつ効率的で効果的な集学的治療(組み合わせ治療)を施行すべく取り組んでい ます。

▲環椎に発生した再発腫瘍


【 2.骨粗鬆症性脊椎骨折】

高齢化社会を迎えて骨粗鬆症性脊椎椎体骨折や破裂骨折、より重症型の多発脊椎椎体骨折の頻度が増大しており、学会等でも常に大きな問題として議論が尽きない領域です。いずれの場合も骨の脆弱性が最大の障壁で手術的加療が難しい疾患の一つです。軽症例に対しては経皮的バルーン椎体形成術(BKP)等の低侵襲手術で対応しております。破裂骨折等の麻痺を合併する重症例に対しては基本的に除圧固定術で対応しております。その中でも最も治療が難しいとされる、重症骨粗鬆に伴う多発脊椎椎体骨折に関しては上記の破裂骨折に伴う下肢麻痺を合併することがあるだけでなく、後弯変形を呈することも多く、寝たきりあるいはそれに近い状態になってしまいますが未だ確立した治療法がありません。私共はこの困難な状態に対しても全身状態が許せば積極的に手術的加療に取り組んでおり、比較的良好な成績を報告しています。

▲環椎に発生した再発腫瘍 ▲腫瘍と片側環椎の一塊切除、脊柱再建



【 3.症候性側弯】


側彎症は、基礎疾患を持たない特発性側彎症と基礎疾患を持つ症候性側弯症に大別されます。症候性側彎症は、一般的に変形の進行が早く重症化することが多いことが特徴で、 変形が高度になると呼吸器や消化器に問題を生じ、生命に危険が生じる可能性が増大します。また、座位の保持等が困難になると日常生活に支障をきたすこともあって、全身状態 が許せば矯正固定術が望ましい疾患です。しかし手術は高侵襲なものとなり、基礎疾患の 存在のため様々なリスクを伴うことが多く、技術的なことも含めて症候性側弯症に対する手術は非常に難しいと言えます。私どもは、神戸医療センターの宇野耕吉先生のご協力の下、このような重症な側弯症に対 する治療に取り組んで参りました。症候性側弯症に対する治療は、麻酔科、小児科、循環 器内科など医療スタッフの充実に加え、ご家族の協力が必須です。これまでに多くの方を 治療し、様々な重篤な合併症を経験いたしましたが皆無事に退院されています。

▲術前 ▲術後

 

 
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